中古ドメインは選び方が難しい。初心者にとってはドメイン名以外の各種指標など、分からないことだらけだろう。
このページでは、中古ドメインの選び方を基本から分かりやすく解説する。中古ドメインはどう選べばいいのか、取得前に何をチェックしたらいいのかしっかりと把握しよう。上級者向けの選び方も解説している。
失敗を回避して、良質な中古ドメインを選択するのに役立ててくれ。
中古ドメイン選びにはWayback Machineが必須
Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは、過去に公開されていたWebページを閲覧できる、海外製のツールだ。登録や設定などの必要がなく、誰でも無料で利用できる。
中古ドメインの質を判断するにはドメイン履歴の確認が必須であり、最低限Wayback Machineでの精査が欠かせない。リンクの量や質を確認できる被リンクチェックツールもあれば、なお良い。
Wayback Machineの使い方については、以下の記事で詳しく解説している。
中古ドメインの選び方
ここからは、中古ドメインの選び方のポイントを詳しく解説する。中古ドメインをどこで購入すればいいのか分からない方は、中古ドメインの探し方について解説している記事から目を通してくれ。
中古ドメインの効果で検索結果が上がるかどうかは、実際に運用してみなければ分からない。最初から完璧に予測するのは不可能だ。しかし、上がる可能性の高い中古ドメインを選ぶことはできる。
オークションサイトなどで業者から中古ドメインを購入する場合は、ある程度ドメインの情報が精査されている。しかし、自動判別によるチェックのみでドメインを評価する業者も多いので注意が必要だ。ドメインパワーが弱く価値の低い中古ドメインが、数万円と高額な価格で販売されているケースはざらにある。
高額な費用を投じて低価値のドメインを取得して、どんなに記事を入れてもインデックスされなかったり、検索順位が上がらなかったりすれば目も当てられない。中古ドメインを業者から買う場合も自分で探す場合も、リスク回避のために最低限以下の精査が必要だ。
精査内容 | 注意ポイント |
---|---|
過去の運営ジャンルは何か? | 運営サイトのジャンルと合わせるのがおすすめ。 |
リダイレクト履歴がないか? | 301リダイレクトの履歴がある中古ドメインには価値がないから避ける。 |
ドメインエイジが長いか? | ドメインエイジ(年齢)が極端に短いと中古ドメインとしての価値も低い。 |
ワンオーナーか? | ワンオーナーが望ましく、基本的に2オーナー以上の中古ドメインは避ける。 |
日本語で運用されていたか? | 海外サイトからの被リンクが多いドメインは、日本語サイト運用にそぐわない。 |
被リンクの量と質が十分か? | 権威性ありの複数サイトから被リンクが付いているのがベスト。 |
ペナルティはないか? | 過去にペナルティを受けているドメインはリスクになるので避ける。 |
上記の精査内容を、1つずつ詳しく解説する。
過去の運営ジャンルは何か?
中古ドメインを使用する際に、過去の運営ジャンルを気にしない人もいる。しかし、運営ジャンルを合わせると勝率が爆発的に上がる。例えば宅配クリーニングのアフィリエイトブログを始めるなら、クリーニング会社の公式ドメインがおすすめだ。
中古ドメインが強いのは、当該ジャンルにフィットした被リンクが充実しているから。同じジャンルでの運用により、中古ドメインの被リンク効果が一層高まる。逆に、過去の運営ジャンルとこれから運営するジャンルに関連性がなければ、中古ドメインのせっかくの被リンクの価値も下がってしまう。
以上の理由から、私は被リンク効果を最大化するには、運営ジャンルを合わせるのがベストだと考えている。実際、様々な中古ドメインで試してきたが、ジャンルを合わせてサイトを構築した場合の効果は圧倒的だ。
Wayback MachineでURLを入力すると、以下のとおり過去の運営歴が表示される。カレンダー上でカラーの付いている日付をクリックすると、当時公開されていたページを閲覧できる。
以下が当時、実際に公開されていたページだ。
Wayback Machineはこのようにドメインの運用歴を確認できて便利だが、カレンダーの日付を1つ1つクリックして表示を確認する手間がかかるのが難点だ。
私が提供している中古ドメイン精査ツール「ドメイン転生」を使えば、Wayback Machineのように1ページずつチェックする必要がない。以下のように簡単に複数の履歴を確認できるのがメリットだ。
リダイレクト履歴がないか?
基本的に運営者が変わるタイミングでドメインにリダイレクトが入る。リダイレクトとは、新しいURLに転送することだ。リダイレクトされればドメインの被リンク効果も、新しいURLに移ってしまう。
Wayback Machineで確認する場合は、日付のカラーを確認すればいい。緑色がリダイレクトを示している。ちなみに青が正常、オレンジは404エラー、赤はサーバーエラーだ。
Wayback Machineの日付をクリックして、下記のように301リダイレクト表示が出たら取得は断念しよう。当該ドメインのドメインパワーは既に別ドメインに移ってしまっている可能性が高いからだ。
下記の302リダイレクトはたまに見られる。リダイレクト先が精査対象の中古ドメイン内であれば、ドインパワーが別ドメインに移っていないと判断できるため、取得してもいい。しかし、中古ドメイン初心者にとっては、302リダイレクトなどの判断は難しいだろう。以下のようなリダイレクト画面が表示されたら取得候補から外すことをおすすめする。
Wayback Machineでリダイレクト履歴を調べるには、URLごとにカレンダーからページを開いて確認しなければならない。しかし、ドメイン転生を使えば以下のとおり、リレダイレクトの有無と種類を瞬時にチェックできる。
ドメイン転生には、[OKドメイン]のボタンをクリックするだけで、リダイレクトドメインを一括で除外する機能も付いている。
ドメインエイジが長いか?
ドメインエイジとは、ドメイン年齢のことだ。年数が長いほどドメインの価値が高まる。できれば3年以上運営歴のある中古ドメインを選びたい。
Wayback Machineでは、URLを入れると以下のとおりドメインエイジをチェックできる。
ドメイン転生では、以下のとおり表示される行数でドメインエイジの判定が可能だ。以下のキャプチャーでは1行を365日に設定しているので、3行の表示で3年運営されていると分かる。
ワンオーナーか?
中古ドメインを取得する際は、ワンオーナーが望ましい。2オーナー以上の場合、既に中古ドメインとして誰かに利用されている。2番目のオーナーが手放した中古ドメインは、検索順位が上がらない可能性が高い。余計な被リンク対策がなされていたり、スパム行為でペナルティを受けていたりする可能性もある。
Wayback Machineでも、ワンオーナーかチェックできる。しかし、公開ページの詳細まで確認するには、カレンダーの日時から複数の履歴を1つずつ確認する必要がある。
Wayback Machineのカレンダーから日時をクリックすると以下の画像が表示されるが、複数の日時を1つずつ指定して確認していくため、1ドメインのチェックでも手間と時間がかかる。多くの中古ドメインの精査には向いていない。
一方、ドメイン転生を使えば以下のように簡単にオーナーの入れ替わりを確認できる。
ワンオーナーのドメインもひと目で分かる。
日本語で運用されていたか?
日本語でブログを作成する場合は、中古ドメインも日本語で運用されていたものを選ぶのがベスト。私は外国語で運用されていたドメインは一切使わない。
一般的に、日本語サイトが海外サイトからの被リンクを集中的に獲得するのは困難だ。不自然でしかない。
中古ドメインの質は、被リンクの質や量で決まると言っても過言ではない。不自然な海外からの被リンクが大量にあれば、Google検索エンジンからの評価も怪しくなる。中古ドメイン玄人にとっては常識だが、運営言語を合わせたほうが圧倒的に有利だ。
中古ドメインが日本語運用だったかWayback Machineで調べるには、カレンダーから日時を選択して1ページずつ確認する必要がある。
カレンダー上の日時をクリックすると、当時の公開ページが表示されて日本語で運用されていたか分かる。
ドメイン転生を利用した場合は、以下のとおりタイトルだけで日本語で運用されていたか判別可能だ。都度ページを確認していく必要はない。
ドメイン転生には、検索段階で日本語運営の中古ドメインだけに絞り込める機能も搭載されている。良質な中古ドメインを探す手間をとことん省けるのが、ドメイン転生の最大の魅力だ。
被リンクの量と質が十分か?
被リンクは多ければ多いほど良い傾向を示すが、質も大事だ。例えばスパムのような被リンクでは意味がないどころかデメリットになる。権威性のある複数の外部サイトから、多数の被リンクがあれば最高だ。
さらに言えば、権威性のあるサイトからの被リンクに加えて、クリックされる被リンクがいかに多いかも重要なポイントになる。クリックされやすい被リンクは、権威性のない個人ブログからの被リンクであっても価値が高い。
被リンクの量や質は、被リンクチェックツールで調べられる。例えばSmall SEO Toolsの被リンクチェッカーを使えば、以下のように項目ごとの詳細情報や指標をチェック可能だ。
被リンクチェックツールにも複数の種類がある。以下の記事で、無料の被リンクチェックツールを紹介しているので参考にしてくれ。
ペナルティはないか?
Googleからのペナルティを受けている中古ドメインも存在する。ペナルティの履歴を100%完璧に調査するのは難しいが、可能な限りチェックしてリスクを回避しよう。
中古ドメインのペナルティチェックには、以下の4つの方法がある。
- サイトマップ送信
- スパムスコアの確認
- サーチコンソール登録なしのペナルティチェック
- サーチコンソール登録ありのペナルティチェック
中古ドメインのペナルティをチェックする方法についての詳細は、以下の記事で解説している。
中古ドメイン上級者向けの選び方
中古ドメイン経験者の中でも、特に上級者の方向けに少々難易度の高い選び方を3つ紹介する。ここで紹介する方法には、被リンクチェックツールが必要だ。無料の被リンクチェックツールもあるが、私は有料のAhrefs(エイチレフス)をおすすめする。
被リンクはトップページに集中しているか?
被リンクは、トップページかトップページ以外かのいずれかに付いているものだ。トップページに被リンクが集中していれば中古ドメインとして運用しやすい。
しかし、トップページ以外に被リンクがついている場合は簡単にはいかない。なぜなら、中古ドメインで新規サイトを立ち上げても基本的に同様の個別ページは生成されず、トップページ以外のページに当たっている被リンクが消失してしまうからだ。リンク先ページが404エラーになると、被リンク元からのリンクも外れやすくなる。全面的に不利だと分かるだろう。
トップページに被リンクが集中している中古ドメインのほうが、そうでない中古ドメインより有利と言える。しかし、各ページに被リンクが分散しているほうが自然だろう。そのため、被リンクがトップページ以外に多く分散して付いている中古ドメインを戦略的にあえて選ぶのもありだ。
被リンクがどのページに、どんなアンカーテキストで当たっているかは、Ahrefsのバックリンクで確認できる。
中古ドメインの被リンクを受けている下層ページを確認した上で、当該ページを復元して被リンクを有効活用する方法もある。詳しくは以下の記事を見てくれ。
アクセスがある被リンクは存在するか?
中古ドメインの魅力は被リンクにあるが、単に高ランクドメインから被リンクが当たっていればいいわけではない。重要なのは、被リンクがユーザーにクリックされ、当該ドメインへのアクセスにつながるかどうかだ。
権威性のある公式サイトと権威性のない個人ブログそれぞれに、同じドメインへのリンクがあったとする。誰も読まないような公式サイトに貼られた被リンクより、多くの流入につながる個人ブログからの被リンクのほうが、高価値だと判定される場合がある。
権威性の高い公式ドメインからの被リンクがあるかどうかだけでなく、流入につながる被リンクがあるかどうかも重要なのだ。
中古ドメインの被リンクからアクセスがあるかどうかは、Ahrefsのバックリンクでチェックできる。
スパムと判断できる被リンクはついていないか?
スパムリンクと呼ばれる被リンクがある。価値のない被リンクを量産してSEOでの順位向上を狙う、いわゆるブラックSEO目的の手法だ。サイト運営者自身が意図的にスパムリンクを仕込むケースもあるが、アンテナサイトから勝手にクローリングされ、スパム判定の対象となるようなリンクを付けられるケースもある。
スパムリンクと疑われるリンクが多少付いていても、中古ドメイン選びでは大きな問題にはならない。「1つでも怪しいリンクが付いていたら取得しない」なんてルールにすれば、取得できる中古ドメインはなくなるだろう。
見極めの大事なポイントは、スパムリンクと判断できる被リンクの量が異常値を示しているかどうかだ。例えば通常の被リンクが1割で、スパムリンクが9割を超えるような中古ドメインはリスクが高く取得するべきじゃない。
スパムリンクの判断基準はかなり難しいのでここでは割愛するが、Ahrefsのバックリンクで被リンク元サイトまたは被リンクのアンカーテキストを見ると判断しやすい。被リンク元に同じようなサイト名ばかり並んでいたり、アンカーテキストの文字列が異常なほど一致していたりすれば、スパムリンクだと判断できる。
良質な中古ドメインを見極めよう
中古ドメインは1つ1つ異なるものだ。高額なだけで質の悪い中古ドメインを選んで失敗しないように、正しい選び方をマスターしよう。リスクの少ない良質な中古ドメインを比較選択するためにも、最低限押さえておくべきチェックポイントを把握することが大事だ。
中古ドメインを選ぶ際は、必須アイテムのWayback Machineを活用しよう。誰でも簡単に、無料で使える優秀なツールだ。中古ドメインの精査を頻繁に行うようになったら、有料のAhrefsを使うといい。高額なコストはかかるが、より深い情報を把握できる。
私が提供している中古ドメイン精査ツール「ドメイン転生」を使えば、良質な中古ドメインを原価で仕入れ可能だ。コストを抑えて良質な中古ドメインを取得したい方に検討してほしい。
ドメイン転生の詳細はこちらドメイン取得後は、被リンクの効果を最大限発揮させるために中古ドメインの使い方の記事を役立ててくれ。